物流業界で注目の的!高い関心を集めるフルトレーラーとは?
ダイナミックな車体で大量の荷物を運ぶトレーラーは、見ているだけでも圧倒されます。なかでも、全長が最大25mにもなるフルトレーラーは、深刻なドライバー不足を解消する一手として物流業界の注目を集めています。この記事では、フルトレーラーの魅力についてご紹介し、フルトレーラーの構造と運転のポイントについて解説します。
フルトレーラーとは
一般的に牽引自動車をトレーラーと呼びますが、正確には牽引する自動車を「トラクター」と呼び、自走できない荷台部分の車両を「トレーラー」といいます。
フルトレーラーとは、前輪と後輪が付いていて、自重を支えることができるトレーラーです。フルトレーラーを牽引する自動車をフルトラクターといいます。フルトラクターは、一般的なトラックに連結機能が付いたものです。フルトラクターとフルトレーラーが連結した車両全体を、フルトレーラーと呼ぶこともあります。
物流業界におけるフルトレーラーの魅力
規制緩和により長距離輸送の担い手として、ダブル連結トラックと呼ばれるフルトレーラーが登場しました。ここでは、ダブル連結トラックの魅力と、トラックと比較したフルトレーラーの魅力についてご紹介します。
ダブル連結トラックで効率的に荷物を運べる
2019年1月、特殊車両通行許可の基準が改正され、フルトレーラーの全長の上限が21mから25mに緩和されました。これにより、大型トラックとフルトレーラーを連結したダブル連結トラックが、高速道路を走ることができるようになりました。ダブル連結トラックは、大型トラック約2台分、22トンもの荷物を運ぶことができ、ドライバーの人員不足を補うことができます。
また、共同輸送や中継輸送といった新たな取り組みも始まりました。共同輸送とは、複数の物流会社が協力し、必要に応じて他社のトレーラーを運ぶことで輸送を効率化する取り組みです。中継輸送とは、ドライバーが途中で別のトラックとトレーラーを交換し、元の拠点に戻ることで帰宅しやすくなる取り組みです。
輸送コストを抑えることができる
一度に大量の荷物を運べるフルトレーラーは、燃料油代、高速道路代、人件費といったコストを抑えることができます。とくにフェリー輸送では、荷台部分だけをフェリーに積み、到着後は別の運転手がトラクターで運ぶことができるので、車両ごと乗り込むトラックよりコストを抑えることができます。
荷待ち時間が短い
トラックは、荷積み・荷降ろしの間ドライバーが待機していなければなりません。この荷待ち時間が、長時間労働の原因として問題視されています。トレーラーは目的地で連結を切り離して荷物を渡せるので、荷待ち時間の短縮が期待できます。
フルトレーラーの種類
フルトレーラーは荷重を支える方法の違いによって、ドリー式とセンターアスクル式に分類されます。
重量物を運べるドリー式
ドリー式フルトレーラーは、前輪にドリーと呼ばれる台車が取り付けてあるフルトレーラーです。前輪と後輪が大きく離れていて荷重が前後に分散されるので、トラクターにかかる負担が小さく、重量物を運ぶのに適しています。ドリーの取り付け部はターンテーブルになっていて前輪が車軸ごと回ります。これによってカーブの回転半径が小さくなり、トレーラーが追従しやすくなっています。しかし、連結部分とドリーの2か所で曲がるため、とくにバックの運転が難しくなります。
運転がしやすいセンターアスクル式
センターアスクル式は、トレーラーの中央に前輪と後輪が集まっています。荷重が集中してしまいますが、曲がる部分が1か所だけなので、比較的運転しやすくなっています。しかし、急ブレーキをかけた時や急なハンドル操作をしたとき、トレーラー部分が遠心力で振り回されるトレーラースイング現象が起こる危険があります。
フルトレーラーは運転が難しい
運送業界でフルトレーラーのドライバーとして活躍するには、大型免許と牽引免許が必要です。車体が大きいため、右左折で大回りをする必要がある、内輪差が大きくなるなど運転が難しい点があります。くわえて、牽引車特有の運転の難しさがあり、大型トラックの運転手でも乗りこなすには充分な練習が必要です。フルトレーラーはハンドルを切らずにバックしても、必ずどちらかに折れ曲がります。
そのため、ハンドルを細かく切って修正し続ける必要があります。車庫入れは、車体を折ってバックしていくことになります。ハンドルを切れば折れ角は大きく、まっすぐにすれば小さくなるので、ちょうどいい折れ角になるよう調整し、微速で後退していく必要があります。
フルトレーラーは、ドライバー不足に悩む物流業界で、効率よく荷物を運べる車両として大きな期待を集めています。免許の取得と充分な訓練が必要ですが、高度な運転技術を身に付けて乗りこなせば活躍の場が広がります。中古トラック市場には多くのトレーラーが流入しています。導入コストを抑えて、経済効果の高いフルトレーラー輸送に挑戦してみませんか。
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引用元:https://www.isoyama.co.jp/