中古トラックを長持ちさせるにはどうすればいい?
トラックを長く使用するためには、日常的なメンテナンスや適切な運用が求められます。既に使用済みで、ある程度車体が損耗している中古トラックであればなおさらです。そこで今回は、トラックを長持ちさせるための方法や、寿命を左右する危険信号について詳しく解説します。本記事の内容が、トラックを仕事などで扱う人の参考になれば幸いです。
トラックの寿命を左右する危険信号
トラックの寿命を延ばすためには、危険信号を見逃さず、早期に対処することが重要です。適切なメンテナンスをおこない、消耗パーツや油脂類の定期的な交換を徹底していても、トラックはいずれ寿命を迎えます。
そのため、メンテナンスだけでなく、トラック本体が発する不具合の兆候を早期に察知し、対応することが必要です。
危険信号を察知するにはメーターパネルの確認が有効
トラックの危険信号は、異音や振動、異臭などからも察知できます。しかし、現代のトラックには多くのセンサーが搭載されており、メーターパネルの警告灯も異常の早期発見に役立ちます。
メーカーや年式によって異なるものの、通常30種類前後の警告灯が備わっていることが多いです。これらは、基本的なトラック機能に問題が生じた際に点灯します。
警告灯の点灯色は、要注意を示すオレンジ(黄色)と、危険を示す赤の2種類があり、それぞれ異常の程度を示します。オレンジの警告灯は「異常はあるが走行可能」赤の警告灯は「走行停止を要する重大な異常」を意味します。
代表的な警告灯
代表的な警告灯には、エンジンシステムの異常を知らせるエンジン警告灯、エンジンオイルの圧力異常を示す油圧警告灯、エンジンの異常加熱を示すオーバーヒート警告灯、ブレーキ系統の異常を示すブレーキ警告灯、そしてABS装置の異常を知らせるABS警告灯などがあります。
オレンジの警告灯が点灯した場合も注意が必要です。重大な危険ではないものの、そのまま走行を続けるとトラックの寿命を縮める可能性があるため、適切なメンテナンスが求められます。トラックを長持ちさせるためには、オレンジの警告灯の点灯時も注意を払い、適切に対処することが重要です。
トラックを長持ちさせるには日常点検が重要
トラックの寿命を延ばすためには、日常メンテナンスが非常に重要です。セルフメンテナンスの際にとくに重要なポイントには、冷却系、オイル系、バッテリー、タイヤの管理が挙げられます。
冷却系
冷却系の管理では、冷却水不足によるオーバーヒートを防ぐため、冷却水の量を定期的に確認することが重要です。冷却ファンの故障も早期に発見することで、深刻なトラブルを防ぐことが可能です。オーバーヒートはエンジンに重大なダメージを与え、最悪の場合は廃車となるリスクもあるためとくに注意しましょう。
オイル系
また、オイル系のメンテナンスはとくに重要です。エンジンオイルやミッションオイルの交換を怠ると、トラックの走行が不可能になることもあります。オイルはエンジンを保護し、潤滑や冷却、洗浄といった重要な役割を果たしているため、量の確認と追加が必要です。減りが異常に早い場合は内部漏れの可能性があるため、専門家に相談することが推奨されます。
バッテリー
バッテリーに関しては、メンテナンスフリーのものが多いです。しかし、上部のキャップが外せるタイプであれば、液量の確認と補充をおこなえます。寿命は2〜3年程度が一般的ですが、メンテナンス次第で4年近く使用できる場合もあります。
タイヤ
タイヤも消耗品であり、スリップサインが出た場合には交換が必要です。スリップサインはタイヤの使用限度を示し、見逃すと事故の原因になるうえに車検も通りません。偏摩耗を防ぐためには、タイヤバランスの調整が効果的です。タイヤはトラックの安全走行に直接影響し、間接的にトラック全体の寿命にも影響を与えるため、定期的な点検と保守が不可欠です。
自分で修理できない故障は早めに業者に依頼しよう
セルフメンテナンスは、場合によってはかえってトラックの寿命を縮める可能性があります。とくに、冷却装置やオイル漏れなどの専門的な修理が必要な場合は、無理にセルフメンテナンスを続けてはいけません。これらのトラブルの際は、早めにディーラーや整備工場に依頼することが推奨されます。
修理費用の目安として、冷却系のトラブルではラジエーターの修理や交換が2~6万円程度です。オイル系のトラブルでは、軽度なもので数千円、中程度のシリンダーヘッド部のシール交換などが数万円で済みます。しかし、深刻な内部漏れやシリンダーブロックの歪みなどが原因の場合は、20〜100万円といった高額な修理費がかかることもあります。
まとめ
中古トラックを長持ちさせるためには、日常的なメンテナンスや適切な運用が欠かせません。とくに、冷却系、オイル系、バッテリー、タイヤなどの重要なパーツの定期点検が必要です。冷却水不足によるオーバーヒートやエンジンオイルの管理を怠ると、深刻なトラブルに繋がり、トラックの寿命を大きく縮める可能性があります。
警告灯が点灯した場合もすぐに対処し、セルフメンテナンスでは対応できないトラブルが発生したら、早めにディーラーや整備工場に修理を依頼することが重要です。適切なメンテナンスと早期の不具合対応が、中古トラックを長く、安全に使用する秘訣です。
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引用元:https://www.isoyama.co.jp/