自分でできる!トラックのタイヤの空気圧の点検方法とは
トラックは毎日たくさんの荷物を運搬する乗り物のひとつです。そのため消耗が激しく、定期的なメンテナンスが欠かせません。今回は、タイヤのメンテナンスのひとつである、空気圧をセルフチェックする方法や注意点について解説していきます。
トラックだからこそ適切な空気圧を保つべき!
タイヤの空気圧を適正に保つことは、タイヤの機能や性能を充分に発揮させるのに大切であるといえます。ここではタイヤに備わっている4つの機能とタイヤに求められている3つの性能について説明していきます。まず、タイヤに備わっている機能は以下の4つです。
・荷重支持機能
・駆動・制動機能
・クッション機能
・安定機能
次にタイヤに求められている3つの性能は以下の通りです。
・高い燃費性能
・高い耐久性能
・高い居住性能
このようにタイヤには多くの機能や性能が求められ、それはトラックのタイヤであっても変わりません。むしろ日常的に活躍の場が多いトラックだからこそ、機能や性能が十分に発揮されるためにも適切な空気圧が保たれる必要があるといえるでしょう。
タイヤの空気圧をセルフチェックする方法
タイヤの空気圧は、空気圧が多すぎても不足しすぎてもさまざまなトラブルが生じます。そのような事態を防ぐためにも、最低でも1か月に1回のペースで点検することが推奨されているのです。トラックの種類に合わせて適切な空気圧を保つようにしましょう。タイヤの空気圧が適切でない場合に生じるトラブルとセルフチェックの方法について説明していきます。
トラックの空気圧の適正値とは
トラックの空気圧の適正値は車両重量によって以下の3種類にわけられます。
2tトラック…500kPa~600kPa
4tトラック…700kPa~800kPa
10tトラック…850~1000kPa
空気圧が不足している
空気圧が不足していると、タイヤの接地面積が大きくなることでタイヤの内側と外側の摩耗が激しくなります。そうなると、ヒートパレーション(路面との摩擦増大による熱損傷のこと)のリスクや燃料消費量増加する可能性が。
また、雨や水まきなどで濡れた路面でおこる「ハイドロプレーニング現象」が発生しやすくなるでしょう。なお、ハイドロプレーニング現象とは、別名「アクアプレーニング現象」ともいいます。自動車などが水の溜まった路面とタイヤの間に水が入り込み、摩擦力が失われるのです。水膜現象ともいい、雨天時の車両事故原因のひとつとして挙げられます。
空気圧が多い
適切な空気圧を保っているときと比べてタイヤの接地面積は小さくなります。その分、路面との摩擦は小さくなるため、燃費はよくなるでしょう。しかし、適正な空気圧よりもさらに接地面積が小さくなることでタイヤの中央部で摩耗が発生しやすくなる恐れがあります。また、接地面積が小さい分クッション性や柔軟性が低下する可能性もあります。そうするとトラック内の居住性が悪化する可能性も考えられます。
タイヤの空気圧のセルフチェックの方法
純正タイヤ、または純正商品に準ずるタイヤを利用している場合は、車内のドアノブ付近に適正空気圧を記載したシールが貼られています。自身で空気を入れる際は、車体シールに表示された推奨値を参考に空気圧を調整するとよいでしょう。
また、自動車用品店、車両販売店などで空気圧を点検してもらう場合にはプロに実施してもらうことができます。セルフのガソリンスタンドや自宅などで空気圧をセルフチェックする場合は必ず「タイヤゲージ」などの装置を利用するようにしましょう。調節は以下の通りです。
・タイヤのエアバルブを開ける(バルブキャップを外す)
・エアバルブにエアゲージ付きの気体充填機のホース(自転車の空気入れのようなもの)を装着し空気圧をモニターでチェックする
・エアゲージをモニタリングしながら、空気を入れるボタン(+)/空気を抜くボタン(-)を利用し、適切な値に調節する
※空気圧が規定値より少ない場合は「+」を押して空気を追加。規定値より少ない場合は「-」を押して空気圧を下げるようにしましょう。
・エアバルブを閉じる
※タイヤの空気圧は見た目で判断できませんので、必ずゲージをみながら調節してください。
チェックする際の注意点
ここでは空気圧をセルフチェックする際の注意点を記述していきます。とくにトラックの場合は一般自動車と異なり、使用するタイヤの車種が多いですのでトラック独自の注意点もあります。ここでは2つ紹介いたしますので参考にしてみてください。
点検は走行前の冷えた状態で実施する
空気は温度変化によって体積や圧力が変化します。計測を安定した状態で行うために、タイヤの空気圧は走行前に計測しましょう。走行後ですと、走行による路面との摩擦や抵抗でタイヤが熱を持ちます。そうするとタイヤ内の空気の温度も上がり、タイヤ内の空気圧も上昇するのです。空気圧を正確に計測したい場合は、タイヤが冷えた状態で計測するようにしてください。
内外の空気を同じように調整する
とくに大きなトラックの場合はタイヤの負担の偏りにより、タイヤの損傷や走行トラブルにならにためにも内外でばらつきなく空気圧を調整するようにしてください。
今回はトラックの空気圧を保つ必要性やセルフチェックの方法、注意点などをお伝えしてみました。いかがでしたか。緻密なチェックや管理はプロの手が必要となりますが、簡単なセルフチェックなら自分自身でできることもたくさんあります。安心・安全にそして快適にトラックが運転できるようにまずはセルフチェックができるようになることが、よりよいトラック運転手の第一歩といえるのではないでしょうか。